オーストラリアの新興企業が、日本産ウズラの細胞を使って培養フォアグラを開発した。多くの培養肉企業が従来の食肉の代替を目指し大量生産に挑むなか、あえて高級食材としての展開を選んだ。その異色の戦略は、苦境にある培養肉業界に新たな可能性を示せるのか。
ロングアイランドにあるセバスチャン・コシオバの板壁の家は、とても最先端の植物生物学研究室には見えない。中に入って廊下をのぞき込むと、奥の方に科学者ひとりがやっと立てるくらいの小さな空間が見える。その作業場には、コシオバがeBayで手に入れたり、わずか ...